02 【見学付き添い】老人ホームを退去しなければならない…

介護期

高橋誠さん(仮名・54歳・男性)は、認知症が進んできた要介護3の父親(87歳)を心配し、2年半前に練馬区内の有料老人ホームに入居しました。2年半前には練馬区内には約40近く介護付有料老人ホームがあり、当時高橋さん一人で探したことからすごく大変な思いをされたとのこと。穏やかなご生活を送っていましたが、徐々に体力も落ち冬場に何回か発熱することがあり、体力がだいぶ落ちてしまい食事の量が減っていました。
熱もよく出る状態になっており、再度熱を出されてご入院に。病院では口からの栄養を摂取だけでは足りないため、胃に直接栄養を流す胃ろうにされ、息子さんの高橋さんは今の有料老人ホームのスタッフの人から食事量が減っていることの懸念は説明を受けていましたが、どこかで熱が下がれば大丈夫と思っていたのが、あれよあれよと崩れていき胃ろうの判断時も気が動転していました。
一旦今の有料老人ホームに戻りましたが、半月後にまた高熱を出され病院に。痰もよくからむ状態になっており、有料老人ホームからは夜に痰の吸引が必要になると看護師が夜間いないので戻ってのご生活が難しいと言われました。一瞬頭が真っ白になりましたが、説明や契約のときに病院ではないのでできないこともある、と言われたな…と。ただ、こんなに突然やってくるなんて、痰の対応で戻れなくなるなんて思ってもみなかったそう。病院に事情を説明し大急ぎで入居できるところを探すことに…
そんな高橋様のご状況に私たちがご紹介したのは、同じ練馬区内の看護師が24時間いる介護付有料老人ホーム。状態が不安定なため、すぐ駆けつけられるように高橋様やご親族のアクセスがよい練馬区内。そして夜間の痰の対応ができるよう24時間看護師がいる有料老人ホーム。そして、ご年齢やお身体の状態も考え、お看取りの対応に長けている有料老人ホーム。
練馬区内には看護師が24時間いる有料老人ホームはいくつかありますが、ご予算や退院の時期とお部屋の空きのタイミングなどがあったところにお父様は無事ご入居されました。
ご入居時には、お父様の最期の迎え方についてもスタッフと詳細の確認を取り合いました。ご入居時にこうした話をすると説明があった際は、戸惑いもありましたが、最期は病院ではなく施設で迎えたいという親族の希望も伝えられ、この施設で対応ができない場合などもしっかり確認しました。

今回の高橋様のケースのように、今施設にご入居されているかたでも、どんな状態になった場合に、その施設にいることができないか、おわかりになっていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。施設は病院ではないので、高橋様もそうだったように医療面での対応はできません、というようなご説明で入っているかたも多いかと思います。施設で対応ができないことを全て事前に聞くことは現実的ではありませんが、より具体的に対応が難しくなる事例を聞いておくことをオススメします。また施設側はそうした具体的な説明をしておくべきかと思っています。私たちエイジングプランナーのように施設を紹介する人が間に入っていれば、そうしたことはその人からも聞くことができます。それはご入居時の身体状況や持病等でどんなことが想定されるかはわかることも多いはずです。
退去に関してやお金に関しては、老人ホームのトラブルとしても多い事例です。
ご入居を検討するご家族、受け入れる施設、間に入っている紹介センター、すべてがしっかり意識すべき点ですね。