77 介護認定とその内容

介護認定 エイジングプランナー佐藤コラム

一様に介護と言っても、その背景や状態は人によって違っています。
介護を受ける被介護者が現在の状態にそった支援を受けるために存在しているのが介護保険制度であり、介護保険の利用にあたっては介護認定というものが必要になってきます。
介護認定とは被介護者がどれくらいの介護を必要とするのかを示す7つの段階区分に分けられていて、介護までは必要ではないが日常の生活を送る上で何らかの支援が必要であるという認定の要支援1~2から、支援よりも更に介助が必要となる要介護1~5という段階が設けられています。

介護保険制度では要支援1~2は介護予防サービスとし、要介護1~5は介護サービスを受けられる仕組みになっており要支援1~要介護5では段階に応じて支給限度額も違ってきますので、その時の状態に合ったサービスを利用出来るようにするためにも被介護者の変化には常に目配りをしておく方が良いと言えるでしょう。
認定された介護度の有効期間は新規や変更申請の場合で原則6カ月となっていますが、その状態に応じて3~12カ月で設定される場合もありますし、身体の状態に変化が生じればどの時点でも介護認定の区分変更を申請することは可能となっています。但し、新たな認定をされるまでに要する期間は市区町村によって異なります。

では次に介護認定区分について少し触れておこうと思います。

◇要支援1 日常生活における基本動作はほぼ自分で行うことが出来るが、金銭や薬の管理や家事で自分以外の人の手が必要となる程度
◇要支援2 要支援1より僅かに基本動作に不安要素が増え、何らかの支援が必要な状態

◆要介護1 食事や排泄は自分で出来るが心身の状態が不安定だったり認知機能の低下が見られ部分的な介助が必要になる状態
◆要介護2 排泄を含む日常動作についても一部介助が必要になり、理解力の低下が見られる状態
◆要介護3 食事や排泄などの場面でも一部介助を必要とし、日常生活のほとんどを1人では出来ないことが増えほぼ全面的な介護を必要とし、問題行動が見られる状態
◆要介護4 重度な認知症があり、心身的な機能の著しい低下、食事や排泄はもとより日常において介助なしでは生活を営めない状態
◆要介護5 寝たきりで、介護がなければ日常生活を営むことが不可能な状態

上記は大まかな区分説明になっていますが、例えば状態だけを見れば要支援2程度であったとしても、緑内障で視野が狭まりほとんど目が見えなくなっているという場合には区分が要介護1や2になったりということもあります。
介護認定区分というのは、あくまでも介護保険サービスを利用するための目安となるものであるため、「介護度が要支援から要介護2に上がるなんて…」と区分変更に落胆される被介護者やご家族様が時々居られますが、身体の状態に合ったサービスを利用出来るようにするための計りなのだと思うようにすることでより良い介護環境を作っていけるのではないでしょうか。