storiesエイジングプランナーのコラム

01 【見学付き添い】施設でもやっぱり広い部屋に住みたい!

東京・新宿区のマンション80平米の広いお部屋で一人暮らしの佐藤武(仮名・78歳・男性)さん。独身生活を満喫してきた佐藤さんですが、ここ1年あまりで咽頭癌や肺癌が見つかり事態が動き出します。
手術をされましたが、その後足腰の調子がよくなく杖を使った歩行になり、今までご自身で行ってきた食事の用意もだいぶしんどくなってきたことから、通院している病院の勧めもあり介護申請をし要介護1の認定となりました。
ご自宅では介護保険サービスを使って入浴の介助や掃除・食事など生活支援サービスを受けていましたが、食事は近くのコンビニを使うことも多くなり、広いお部屋の管理や食事、ご自身の体調面を考え老人ホームへ移る検討を始め、お問い合わせをいただきました。
お問い合わせ時の、佐藤さんのご希望の条件はこちら
・お部屋がひろいこと
・近くにコンビニなど買い物ができるところがあるところ
・新宿にある病院に通えるところ
・食事が美味しいところ

佐藤さんはご自分でも老人ホームは探されていましたが、
「どこも部屋が狭いんだよね~なんであんなに狭いの?何にも置けないじゃない」
とのお言葉。
そうなんです、一般的な有料老人ホームのお部屋は18平米程度。確かに80平米のマンションと比べると相当な違いですね・・・。でもこういう思いを抱かれたことがあるかたは佐藤さんだけではないはず。
有料老人ホームのお部屋は介護をすることを中心に考えられており、日中はお部屋だけでなく広い共有部のリビングや食堂も使ってお過ごしください、と有料老人ホームを見学した際に案内を受けたかたも多いはずです。
佐藤さんのお話を伺うとお部屋は二間は欲しい、と・・・。
手助けなどサポートは欲しいけれど、18平米だと息がつまってしまう、とお部屋に対する要望がまずは大きいので、新宿に通える範囲で広い部屋があるところをまずは選び出しますが、二間ある有料老人ホームはなかなかありません。
検討の一つは30~40平米くらいはありますが、お部屋が一つ、ワンルームタイプのご夫婦部屋をおひとりで利用する、という有料老人ホーム。ご見学にお連れしましたがお風呂やキッチンなどの水回りがお部屋にはなく、ちょうど空いていたお部屋があるフロアは、佐藤さんより介護度が高いかたが多くご自身とあうか少しご不安。
もう一つの検討として、少し距離は離れますが世田谷区のサービス付き高齢者向け住宅のご提案。こちらはお部屋も40平米以上ある1LDKタイプや2LDKタイプがあり、広さや間取りも条件とあっています。ただ、サービス付き高齢者向け住宅で気を付けなければいけないのは、どのようなかたを対象にして建てられ運営されているかということ。
サービス付き高齢者向け住宅は安否確認と生活相談がついた賃貸住宅であり、介護に関する考えかたも住宅によってまちまちです。本当にお元気なかたを対象にしているところもありますし、その逆で要介護のかたを主にお受入れしているところもあります。

ご案内した世田谷区にあるサービス付き高齢者向け住宅は、お元気で自立度の高い方に向いているフロアと、介護度をお持ちで日々のご生活で見守りが必要な方向けのフロアがある比較的珍しいタイプのサービス付き高齢者向け住宅。
自立度の高い方向けのフロアは、当然お元気なかたに満足していただけるだけのお部屋の広さがあり、佐藤さんも気に入られ、介護がもっと必要になったときは介護の方向けのフロアもあることも決め手となりました。
お食事の試食時には、1階にあるダイニングで自分と同じくらいの身体状況のかたや、自分よりお元気なかたも入っていらっしゃるのを目にし、安心されているご様子。ご見学は複数回行いましたが、その際、坂もなく平坦な道で歩いて行ける距離のスーパーにご自身の足で歩いて行かれ、「今の家のコンビニよりは遠いけれど、まぁ良い運動になる」と前向きな笑顔。
今回のように広いお部屋を望まれるかたは、多くいらっしゃいます。
広いといっても18平米は狭すぎるので、30平米くらいは、というお声もよく聞きます。有料老人ホームでもご夫婦でご入居できる広めのお部屋があるところもあり、最近はオープンするとそのご夫婦部屋から埋まっていく、という話もあるくらいです。
サービス付き高齢者向け住宅は、有料老人ホームに比べ広いお部屋があるところも多いですが、上記のようにそのサービス付き高齢者向け住宅がどんな人を対象として建てられているのか、「コンセプト」のようなものをしっかり理解することは重要です。
「お元気なかた~介護が必要なかたまで」と謳っていてもサービス内容や提携事業者などを見ると介護が必要なかたのほうを向いていないと感じるところもありますし、その逆もしかりです。
どんな状態になったらここでは対応ができないのか、などしっかり把握しておく必要がありますね!

槌井渉

エイジングプランナー

神奈川県出身/法政大学社会学部卒業
2007年より介護施設の入居相談・紹介を始め、施設の紹介にあたっては中立公正を原則に、実際に介護施設も約1,000か所訪問し、自らの目でも確かめご案内しています。
2016年からは、かねてよりご相談も多かった身元保証や相続、自宅の相談にも本格的に取り組み、介護や住まい・医療・看取り・相続・終活など、幅広い問題に対応。10年以上の経験をもとに昨今は働きながら親の介護にあたる4,50代のサポートにも力を入れています。現在はご相談者の対応はもちろん、各種セミナー講師なども務める。

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